年末年始に気をつけたい「子どもへの接し方」 「学校に行く間際」「出掛ける間際」の声掛けはNG

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何を伝えたいのか意思がはっきりつかめると、曖昧な感覚表現ではなく、的確に物事を伝えられるようになります。具体的に言葉を選ぶことができると、より相手に伝わりやすくなるのです。

伝える内容が明確になれば、あとはタイミングです。危険が伴うようなときは選べませんが、そうでないときは、伝える場面も大切です。

子どもの気持ちも自分の気持ちも大切に

まず、間際は避けましょう。「学校に行く間際」「出かける間際」「何かが始まる直前」など、急いでいるからこそ、威圧的な物言いになる場面ですが、すでに次の行動に対しての意識が向いているので、何かを言ったところで、右から左に流れてしまいます。

また、誰かと比較することも厳禁です。ほかの子がいる前で、「○○ちゃんはできているのに」などと比べるような言い方は避けましょう。

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次に、言葉と表情や態度の一致です。伝えたい内容と表情が一致していないと、どちらが本心なのか戸惑います。基本的には、コミュニケーションのやり取りの中で、表情や態度、声色など、非言語が相手に与える影響は、言葉の内容よりも大きいので、そこに乖離があると不安になります。

笑顔で叱られても「たいしたことではないな」とか、表情が乏しく褒められても「これは別の意味があるのかな」といった具合です。

子どもに限らず、あらゆる対人関係でも同じようなことがありますので、ぜひ、心がけていただければと思います。

子どもの気持ちも自分の気持ちも大切に。いかに相手に伝えられるかは、自分の問題でもあります。親子のよりよいやり取りを考える際に、本書を活用していただけたら幸甚です。

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大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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