生保にとっての大事なお客さんはセールスレディなんです--出口治明・ライフネット生命保険社長(第2回)

生保にとっての大事なお客さんはセールスレディなんです--出口治明・ライフネット生命保険社長(第2回)

--生命保険業界における一番の問題点は何でしょうか。

この10年で日本の1世帯あたりの所得は15~16%も下がっています。特に20~30代の人はすごく生活が苦しくて、1世帯1人あたりの平均年収は180万円弱でしょう。こうした現実があるのに、大手生保の商品はいまだに毎月平均1万5000円~2万円もします。

なぜなら、膨大なセールスレディを抱えているからです。大手生保は巨大な労務管理会社ともいえる。業界で25万人という膨大な数のセールスレディを抱えているため、手数料の高い商品を売らないと組織が維持できないのです。

大手生保にとっての顧客というのは、セールスレディなんですよ。生保の支店長の仕事の一つは、セールスレディ全員の写真を撮って彼女たちの名前を覚え、ねぎらうこと。20世紀後半の50年間は右肩上がりの高度成長期でしたし、女性の職場もなかったのでこのレガシーシステムは時代にフィットしていたと思います。

生保業界にとっていい商品とは、セールスレディが売りやすい商品のことなんです。

でも、世の中が変われば成功は失敗の母になりますよね。売ってくれる人を大事にしなければいけないという考え方は間違いではありませんが、1社専属のセールスレディは40年体制の産物。当時の体制のまま。

お客様を見る視点を失っていることが、今の保険会社の最大の問題点だと思っています。そこで、僕は今の20~30代のために保険料を半分にし、安心して赤ちゃんを産んでもらおうと思ってライフネットを作ったんです。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • コロナショック、企業の針路
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
  • 就職四季報プラスワン
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
銀行 地殻変動<br>先で待つ「不良債権地獄」の恐怖

コロナ危機を受け、銀行は政府の支援の下、積極的に「傘」を差し出し、融資をしています。しかし融資先には「危ない企業」も含まれ、下手をすれば不良債権によって屋台骨を揺るがしかねません。自ら大きく変わり始めた銀行の近未来を占います。