生保にとっての大事なお客さんはセールスレディなんです--出口治明・ライフネット生命保険社長(第2回)

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--「保険料を半額にする」を始め、「保険金の不払いをゼロにする」「商品の比較情報を発展させる」と、設立にあたり3つのビジョンを掲げられましたが、どのように実現したのでしょうか。

まず「保険料を半額にする」のは、インターネットを使えば簡単にできます。例えば、ビールをスーパーで買って飲む場合と居酒屋で飲む場合とでは、居酒屋の方が人件費と物件費が価格に乗っている分、高くつく。

生命保険も同じです。日本人の死亡率やガンになる割合はどこの保険会社が計算しても同じで、生命保険も原価(純保険料)は一緒なんです。レガシーの会社は全国に1500~2000店ものリアルな店舗を持っているので、居酒屋でビールを飲むのと同じように料金が倍になる。一方、当社はインターネット上に1店舗しかないから安くできるのです。

「保険金の不払いをゼロにする」のも当然のことです。生命保険会社の本業は、お客様が困った時に保険金を支払うことなのに、不払いを起こすというのは機能不全以外の何ものでもありません。

商品を複雑にして手数料を上げようという方針をとった結果、複雑になり過ぎて保険会社でさえも把握しきれなくなり不払いが起きました。本末転倒ですよね。商品がシンプルなら不払いはなくなるんです。よって当社には「かぞくへの保険」「じぶんへの保険」「働く人への保険」と商品が3つしかありませんし、特約も一切ありません。

「商品の比較情報を発展させる」に関してもごく当たり前のこと。保険はマンションに次いで高い買い物だと言われています。マンションを買う人は色々な物件を比較して買いますよね。同じように情報開示を行い、比較した上で納得して商品を買ってもらおうと考えたんです。

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