引きこもりの30代彼が婚活を経て成婚できた要因 申し込みは150人、お見合いまで進んだのは10人

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子どもの頃は努力しなくても勉強ができた優等生で、中高一貫の進学校に進学。ところが、進学した先は地方の公立小とは違い、レベルの高い生徒が集まってきているので、一気に落ちこぼれた。

その状況で6年間を過ごし、仲間たちが有名大学に進学していくなか、よういちが合格したのは名もない私立大学。そこから自分にダメの烙印を押し、引きこもり生活が始まった。結局、大学にはほとんど行かずに、留年を続けて8年で除籍になった。

その後も地元でくすぶり続けていたのだが、「このままでいいのか。ここで自分が変わらなければ、廃人のような人生になる」と一念発起。環境を変えるために地元を離れて、上京した。現在の会社に就職をし、休みの日はジムに行って汗を流したり、友達の輪を広げたりするようになった。

そんななかで出会った女性に恋をした。

そのときのことを、入会面談のときに筆者にこんなふうに話してくれた。

「デートに誘ったらオーケーしてくれたので、彼女も自分に気があるのだと思ってしまった。食事に行って恋人気取りで話していたら、彼女はだんだんと無口になって、『電話をかけに行く』と中座したまま、帰ってこなかったんです」

のちに「ごめんなさい。先に帰ります」というLINEが来て、自分が大きな勘違いをしていたことに気づいた。生まれて初めての失恋。

そんな失意のどん底から出発した婚活だったのだが、結婚相談所サイトに登録してからのよういちの奮闘ぶりは、目覚ましかった。

筆者は、複数の相談所協会に属しているので、各サイトによういちを登録すると、彼は合計で150件のお見合い申し込みをかけた。そのうち成立したのは10件。お見合い後は数名と交際に入り、のちに2人に絞り込み、最終的にみずえ(38歳、仮名)と真剣交際に入り、成婚を決めた。

みずえは交際に入った女性のなかで、唯一年上だった。

上手な舵取りが2人の距離を縮めた

男性は、結婚する女性に若さを求める傾向にある。ことに、40代後半以上になると、できるだけ若い女性との結婚を望む。なかでも初婚者は子どもを授かりたいと思っているので、50代、60代になると、親子ほど年齢の離れた女性にお見合いを申し込んでいる。

当然のことながら受けてもらえるケースは、ほとんどない。

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