家康激怒「豊臣ゆかりの寺」に刻まれた侮辱の言葉 梵鐘に刻まれた「国家安康」「君臣豊楽」が騒動に

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10月1日、片桐且元は大坂城を退去する。片桐且元が去った後は、大野治長が大坂方の主導権を握ったという。

片桐且元は豊臣家の家老として、徳川との交渉を担ってきたが、その一方で、徳川から加増を受けて、大和竜田2万8000石の城主となっていた。

家康が秀頼を討つ口実に

その片桐且元を討伐することは、家康の家臣を討つのも同じ。片桐且元殺害計画は、家康に秀頼を討つ口実を与えることになった。

方広寺の鐘銘・大仏開眼供養に関する流れを見ていくと、家康は明らかにこの問題を利用しつつ、豊臣家に圧力を加えていることがわかる。大坂冬の陣はこうして勃発していくのである。

(主要参考文献一覧)
・笠谷和比古『徳川家康』(ミネルヴァ書房、2016)
・藤井讓治『徳川家康』(吉川弘文館、2020)
・本多隆成『徳川家康の決断』(中央公論新社、2022)

濱田 浩一郎 歴史学者、作家、評論家

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はまだ こういちろう / Koichiro Hamada

1983年大阪生まれ、兵庫県相生市出身。2006年皇學館大学文学部卒業、2011年皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。専門は日本中世史。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員、姫路日ノ本短期大学講師、姫路獨協大学講師を歴任。『播磨赤松一族』(KADOKAWA)、『あの名将たちの狂気の謎』(KADOKAWA)、『北条義時』(星海社)、『家康クライシスー天下人の危機回避術ー』(ワニブックス)など著書多数

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