大増殖!「ミニケンミンショー」が人気のワケ なぜ地方ネタ番組を見てしまうのか?

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ここ数年、ご当地自慢番組が増えてきて、各番組が取材する地域も、ますます細分化してきているようです。日本全国津々浦々、都道府県単位をさらに掘り下げて、市町村単位で取材。どこまでディープになるのか、というところまで来ています。

世界的にも極めて貴重!

取材される側も、町おこしの一環として喜んでネタを提供しているようです。「ジョブチューン」で各県の知事が自らタレントのようにお国自慢をしているのには驚きましたが、制作側にとっては、取材相手が協力的なのはありがたいこと。とても制作しやすい企画だと言えます。

それに加えて、現地取材でも、テレビの影響なのか、面白いことを言う日本人が増えてきたような気がしています。取材しやすくて、制作費も抑えられて、視聴率も取れるということで、ご当地自慢企画は、今後しばらくブームになりそうです。

こうした番組は、長い歴史のある日本ならではのもの。アメリカでは、カリフォルニアのハンバーガーも、隣のオレゴンのハンバーガーも、ニューヨークのハンバーガーもほぼ同じ。言葉もアクセントは微妙に違いますが、各地ほぼ同じ。なので、ご当地自慢番組というのを見たことがありません。

各地方で文化や風習が違う中国であれば、番組としては成立しますが、国土が広すぎて全国津々浦々まで取材するのも難しいでしょう。そう考えれば、ひとつの国の豊かな文化を各都道府県、市町村単位で詳細に見せてくれる番組は、世界的には極めて貴重。日本人だけではなく、もっと外国人にも見てもらって、日本文化の奥深さを実感してもらいたいものです。

佐藤 智恵 作家・コンサルタント 

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さとう ちえ / Chie Sato

1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。ディレクターとして報道番組、音楽番組を制作。 2001年米コロンビア大学経営大学院修了(MBA)。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年、作家/コンサルタントとして独立。主な著書に『ハーバードでいちばん人気の国・日本』(PHP新書)、『スタンフォードでいちばん人気の授業』(幻冬舎)、『ハーバード日本史教室』(中公新書ラクレ)、『ハーバードはなぜ日本の「基本」を大事にするのか』(日経プレミアシリーズ)、最新刊は『コロナ後―ハーバード知日派10人が語る未来―』(新潮新書)。公式ウェブサイト

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