ざっと見ただけでこれだけあるのですから、おそらく調べればもっとあるでしょう。なぜ、視聴者はこうしたディープな「ローカル企画」をついつい見てしまうのでしょうか。
「探偵!ナイトスクープ」が元祖?
そもそも、こうした地元密着企画は、全国ネットではなく、ローカル局の番組で多く放送されてきました。最も有名なのは、「探偵!ナイトスクープ」(1988年~、朝日放送系)。関西で20%近い視聴率を誇る番組です。
この番組からはさまざまな名物コーナーが誕生。日本地図上で境界線を探る企画(日本語の「アホとバカの境界線」を調査)や、「○○市vs. △△市」といった対決企画(「枚方市vs. 寝屋川市」どっちが都会かを調査)の元祖は、この番組だったと記憶しています。
ところが、関西地区ではずっと高視聴率を獲得してきた「探偵!ナイトスクープ」も、残念ながら、東京では苦戦。関西色があまりにも強烈だったからか、関西の笑いが理解できる人が意外に少数だったからか、関西出身の筆者にはいまだによくわかりませんが、テレビ朝日での放送はいつのまにか終了。
現在は、毎週日曜日の夕方、東京MXテレビで放送されています。(ちなみに筆者は「笑点」の裏で放送されている「探偵」を見ていますが、こうした視聴者は、おそらく東京では少数派でしょう)。
その後、2007年、調査対象を関西だけではなく、全国に広げて調査する番組が、大阪の読売テレビから誕生しました。それが、「カミングアウトバラエティ!! 秘密のケンミンSHOW」(毎週木曜 夜9時、日本テレビ系)です。当然のことながら、47都道府県を対象とすれば、ターゲットとなる視聴者数も多くなり、東京でも安定した視聴率を獲得しています。
この番組が支持されている理由のひとつが、視聴者の郷土愛をうまくくすぐっていること。毎回、特集される県の出身者(タレント)が秘密をプレゼンする方式にして、時には他県と対決させたりします。自分の出身地や知っている地域が特集されれば、“あー、この場所、知ってる知ってる”“この言葉、使う使う”とうれしくなるのは当然のこと。
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