「Z世代は覇気がない」と嘆く中高年が知るべき経緯 哲学と歴史からみれば彼らは「進化した人類」?

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Z世代の価値観を、歴史的な視点で解明してみます(写真:kou/PIXTA)
Z世代は覇気がない――。シニア世代の中にはそう嘆く人も少なくない。皆で仲良く、争うこともなく、空気を読み合うし、欲望や闘志があるようには見えない。しかし本当にそうだろうか。そんな彼らは実は「進化した人類」なのかもしれない。
なぜ「進化した人類」といえるのか。永井孝尚氏の最新刊『世界のエリートが学んでいる教養書 必読100冊を1冊にまとめてみた』より、哲学と歴史の視点でZ世代の価値観について解説する。

低欲望のZ世代は、覇気がない?

メディアでは「Z世代の価値観とは?」という企画が花盛りだ。シニア世代の目には、Z世代の価値観はなかなか理解できないようだ。

たとえばバブル世代が20代だった頃は、男性にとって車はデートするための必需品だったし、恋愛にも貪欲な人が多かった。バブル世代は欲望が強く、経済を支えていた、とも言われたりする。しかしいまのZ世代には、モノを所有することにあまりこだわらない人も多い。欲望がむしろ低いように見えてしまう。そんなZ世代を見て、中には「覇気がない。だから経済も活性しないのだ」と感じるシニア世代もいる。実際のところはどうなのだろうか?

そこで哲学者ニーチェとアメリカの政治経済学者フランシス・フクヤマの思想をひもときながら、Z世代の価値観を歴史的な視点で解明してみよう。

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