もう1つ、部分的に温めるのであれば、動脈が体表近くを通る「脈所=止血点」を温めるのがいいでしょう。首、脇の下、鼠径部(足の付け根)などに湯たんぽや使い捨てカイロを当てると、温まった血液が全身に熱を運んでくれます。
ただし、40°ぐらいの湯たんぽや使い捨てカイロであっても、長時間皮膚に当て続けると低温やけどを起こすことがあります。湯たんぽはタオルなどでくるみ、使い捨てカイロは直接、肌に当たらないようにします。また、最大でも使用時間は30分とし、使用したまま寝入らないようにご注意ください。
より積極的に温活するテクニック
続いて、より積極的に体を温める方法をお伝えします。
比較的手軽にできるのは、食事による温活です。
食事を摂ると副交感神経が優位になるとともに、取り込んだ栄養の一部が分解される際に、熱が生まれるからです。これを「食事誘発性耐熱産生」といい、1日に消費するエネルギー量の10%程度を占めています。
食事は抜かずに、規則正しく摂ることでゆるやかに熱が作られていきます。特に熱産生量が多い栄養素はタンパク質です。あえてプロテインを摂る必要はありませんが、毎食、肉、魚、豆などの主菜を欠かさないようにしましょう。
運動も温活に有益です。
ストレッチをする際は座るか寝るかの楽な姿勢で、一部位ずつゆっくりと時間をかけて伸ばすことで、副交感神経が優位な状態へ導かれます。
ストレッチ中は水の通ったホースを踏むように血行が抑制され、ストレッチ後にはホースが解放されて勢いよく水が流れるように血行も促されます。痛みや寒さを感じると交感神経が働いてしまいますので、暖かい場所で痛みがなく、気持ちよく感じる範囲で行ってください。
有酸素運動を行えば、そのぶんエネルギー消費量が増えて、体温が上がるとともに全身の血液循環量も増えます。汗をかくほど激しく動く必要はありませんし、長時間行う必要もありません。歩行、早歩き程度の運動を10分程度行うだけで、十分に体は温められます。そして運動を終えても熱産生はしばらく続きます。
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