自律神経を整え体を内側から温める「呼吸」のコツ 冷えた手足がポカポカ、試したい「脈所」温熱法

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外出する際には、マフラーや手袋を身に着ける、カイロをポケットに入れる、コートの下に1枚羽織るなどして、寒さに備えます。

そのまま電車に乗ると今度は汗をかいてしまい、その汗が電車を降りたあとの冷気で体を一気に冷やしてしまいますから、電車に乗る前にそれらを取りましょう。そして、電車を降りたら再度マフラーなどを身に着けて温かい格好をします。

家やオフィスでは、室温を20°程度になるように暖房器具を設定し、寒さを感じるようであれば、衣服やひざ掛けなどで調節しましょう。気温の変化に体が応答するまでにはタイムラグがありますから、暑い、寒いと感じる前に予防的に服装などで調節することが有効です。

自律神経を整える呼吸法

手足が冷えているときにまず考えつくのは、お湯や使い捨てカイロなどで冷たくなった手足を温めることかと思います。ですが、これは無駄ではないものの、あまり効果的ではありません。

冷えは手足に原因があるのではなく、交感神経が優位な状態が続いている結果だからです。手足の血管を拡張させて血行をよくするには、交感神経の働きを鎮め、副交感神経を優位な状態に導くのが最善策です。

冒頭にお伝えしたように、自律神経は私たちの意思や意識とは無関係に、まさに自律的に心臓の拍動、血圧などをコントロールしています。唯一の例外として、呼吸だけは私たちの意思でもコントロールできます。このため、呼吸を調整することで、自律神経の働きを調整することが可能です。

交感神経が優位になっているときには、酸素をたくさん取り入れようとして呼吸が速くなっています。そこで、ゆっくりと呼吸をすることによって交感神経の働きが抑えられ、副交感神経の働きが優位となるのです。

床に寝転がらずとも、イスに座ったままでもできる方法をお伝えしますので、寒い外から家やオフィスに入ったあとなどに、手足の冷えが続くようであれば試してみてください。

寝る前に手足が冷えている場合も同様です。

本来、夜間は副交感神経が優位になって、手足や皮下の血管を拡張させて熱を放散しつつ、深部の温度を下げることで眠りやすい状態になっていきます。赤ちゃんが眠くなると体が温かくなるのはこのためです。寝床に入ったら、肺が広がりやすいように膝を立てて、同様の呼吸法を行ってみてください。

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