「30代部下から否定された」50代管理職の強い絶望 指摘された時に、どう対応すればよかったのか

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ちなみに先述したポジティブサイコロジーと同じ3:1なのは、ネガティブな感情は反芻し、ポジティブな感情はシャボン玉のようにすぐに消えてしまう性質があり、ネガティブな言葉や感情はポジティブな言葉や感情の3倍以上影響力があるからだと考えられています。

言葉も感情も同じ割合で影響するということは、ポジティブ、ネガティブどちらの感情になるときも相手の言葉の影響をそのまま受けているということだと私は考えています。

褒めすぎにも注意が必要

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改善点を伝え、相手のやる気を引き出すフィードバックを行うためには、最初にアイデンティティーを否定することなく伝えることです。そうすれば相手も受け入れやすくなると言われています。

ただし、10:1以上になると、逆に馬鹿にされていると感じてしまうので褒めすぎも注意が必要です。

また、普段から「ありがとう」「助かる」「うれしい」という言葉を積極的に使うのもおすすめです。この言葉を言ってくれる相手に対しては好印象が生まれるので、よいコミュニケーションが築けます。

人のネガティブな言葉は感情に大きく影響を与え、それが続くとうつやパニックなどの病気の原因にさえなってしまいます。上司と部下、親子どちらの関係においても、こういったことを知っておくことがとても大切です。

柳川 由美子 公認心理師

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やながわ ゆみこ

臨床心理士、産業カウンセラー、不安専門カウンセラー。鎌倉女子大学児童学部子ども心理学科卒業。東海大学大学院前期博士課程(文学研究科コミュニケーション学専攻臨床心理学系)修了。2005年より大学やメンタルクリニック、企業研修などの活動を開始し、現在は「メディカルスパ西鎌倉」「メディカルスパみなとみらい」でカウンセリングを行う。一万回以上の個人セッション経験を通して相談者の共通パターンを発見。独自メソッドで解決に導いている。著書に「晴れないココロが軽くなる本」(フォレスト出版)「不安な自分を救う方法」(かんき出版)など。

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