「30代部下から否定された」50代管理職の強い絶望 指摘された時に、どう対応すればよかったのか

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Aさんのように親から自分を認めてもらった経験が乏しいと、自分はこれでいいんだという自己肯定感が低くなりがちです。つねに安心感に満ちていない不安な状態なので、自信もありません。でも、根底にはそんな自分の権威を守りたいという気持ちがあり、強い承認欲求が生まれます。このような心理状態のため、相手から何か言われると自分が否定されたように感じてしまうのです。

Aさんの父親はまったく褒めてくれなかったということですが、もし、勉強やスポーツができた時は褒めてくれていたとしても、それは「条件付きの愛」ということになります。

自己肯定感は、無条件に認めてもらったという経験の積み重ねによって育まれます。Aさんの父親が古いタイプというわけではなく、大学生のカウンセリングなどでも同じようなタイプの親のエピソードを聞くことが少なくありません。

Aさんにはうつの傾向もあり、実際、親のネガティブな言葉を聞いて育った人はうつなどの病気になりやすいと考えられています。

親の関わりが子どもに与える影響

心のプラスの面に着目した心理学の分野「ポジティブサイコロジー」の心理学者で、ポジティブ感情の第一人者であるフレドリクソン博士によると、健康な状態でいるためにはポジティブな感情になる経験、ネガティブな感情になる経験の割合が3:1以上であることが望ましいとされています。

1:1以下になるとうつなどの症状が出ると言われており、家庭内では5:1以上でもよいという考えもあります。このことからも親の関わりが子どもに与える影響力がわかるでしょう。

Aさんにはその後、さまざまなワークに取り組んでもらいました。最終的にビリーフ(思い込み)の書き換えを行うことができ、何年か通っていたカウンセリングを終えることができました。

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