「30代部下から否定された」50代管理職の強い絶望 指摘された時に、どう対応すればよかったのか
カウンセリングの中で、「仕事の進め方に不満を持っている部下に対して、Aさんご自身が部下に対してできることは何かないですか?」「もし、Aさんが部下の立場だったら、どんなふうに言ってもらいたいですか?」という問いかけもしました。
すると、「まず、じっくり話を聞いてあげればよかったかもしれません」「初めからこんなふうに言っていれば、よかったかもしれません」とAさん。
こんなふうに違う角度から物事を見られるようになったり、自分の中から答えが出てきたりするのは大きな進歩です。相手だけが悪い、相手を変えようと考えているうちは、自分自身で解決する力を失っているのと同じだからです。
Aさんのように「自由に意見を言ってくる部下にストレスを感じる」というクライアントさんは他にもたくさんいらっしゃいます。いわゆるZ世代の部下に悩まされている上司が多い印象です。もし、同じように感じている方が、部下に対して「悪いのはZ世代特有のマイペースな部下で、自分には変えるべきところはない」と思っているとしたら注意が必要かもしれません。
Aさんのように実は自分が否定されたという思いが根底にあるのかもしれませんし、自己肯定感が低い人は視野が狭く、物事の見方が一方的になりがちだからです。
部下と良好な関係を築く「心理的テクニック」
Z世代に限らず、部下との関わりに悩んでいる方はとても多いです。Aさんのエピソードのように、最近はパワハラと言われるのを恐れて自分の意見を言わずに溜め込んでしまう人も増えているように思います。
でも、それではストレスが溜まる一方なので、上司として言いにくいことを伝えるために覚えておきたいコミュニケーション方法が「フィードバック」です。
これは褒める、労うなど、相手にとってよいことを3つ伝えてから、改善してほしいこと、指摘したいことなどを伝えるというもので、「3:1の法則」とよばれています。
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