駅前で目にすることが多い日高屋ですが、実は20年ほど前はロードサイドへも出店していたとのこと。
ただ、ちょい飲み需要を背景にして、おつまみ系のメニューを拡充したことで、利用者がアルコールを楽しめるように駅前への出店を強めていきました。
一方、最近ではコロナ禍を経てロードサイドへの出店も進めています。駅前に店舗を出してきたことで認知度が高まっており、さらに出店範囲を広げているそうです。
そんな日高屋の強みを、自社ではどう分析しているのでしょうか。鈴木さんは日高屋の強みを「食べやすい味を提供して、1週間に何回も来てもらえるような店」であることと説明します。確かに「中華料理の専門店」ではなく、家庭で楽しむ味のような手軽さ・敷居の低さが日高屋の魅力といえるでしょう。
もちろん「安さ」も日高屋が支持を集める理由です。自社工場を構え、メイン食材を自社で製造できることや、店舗網が広がったことによる「規模の経済性」で、安価に商品を提供できているといいます。
炊飯器を使った独特の製法が生まれたワケ
そんな日高屋のチャーハンは、独特の製法で作られています。
一般的に中華料理店のチャーハンは、白米と卵などを中華鍋で炒めるイメージがありますが、日高屋では炊飯器を活用。味付きのご飯を事前に炊いておき、注文が入ると中華鍋で卵や肉と一緒に炒めるスタイルです。
もともとは白米から中華鍋で炒める一般的な製法をとっていたといいます。ただ、店舗網の拡大に伴って、調理するスタッフによって、味にバラつきが生じていました。炒める際に“おたま”で調味料を入れるため、均一な味を再現できずにいたのです。
そこで、自社工場で味付け用のタレを製造し、レードルで計量して味付けする方式に変更。しかし、それでも調理技術の平準化がなかなか難しく、現在の「炊き込みご飯」式のスタイルへと踏み切りました。
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