肝機能の検査値、今は「ガンマGTP」だけ見てもダメ 肥満や糖尿病で生じる肝臓病が新たな問題に

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一方で、NAFLDやNASHなど、“Non-B・Non-C”の肝がんは再発率が比較的高くなく、多発するケースも多くないという報告が聞かれ始めている。

髙見氏も「まだデータが集まっていないので明確には言えない」と断ったうえで、「“Non-B・Non-C”の肝がんは、多発する症例が少なくて、単発で切除すれば再発率が少ないという印象がある」という。

早期であれば治せる可能性も

そうなると、早期に発見して切除すれば再発しにくい、つまり治せるがんの可能性がある。

かつてウイルス性の肝炎をフォローしていたように、リスクの高い人たちを見つけて定期的に見ていけば、効果的に予防ができる。

そのリスクとは、例えば、糖尿病予備軍や、ウエスト周囲径が男性85センチ/女性90センチ以上で、血圧や血糖、血清脂質のうち2つ以上が基準値を外れている、いわゆるメタボリックシンドロームとされる人で、こうしたリスク群をフォローすることも、肝がんの予防、あるいは早期発見に有効だ。

肝臓には主に、私たちの生命活動に不可欠な「代謝」「解毒」「胆汁の生成」という重要な働きがある。これらの大事な役割を担う肝臓の健康を守るために、アルコールの過剰摂取をさけるだけではなく、肥満や糖尿病予防にも心がける必要があるだろう。

君塚 靖 えむでぶ倶楽部ニュース編集部 記者

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きみづか やすし / Yasushi Kimiduka

証券・金融畑の記者を経験した後、医療系記者に転身。2018年1月にメディカル・データ・ビジョンに入社。同社情報誌「えむでぶ倶楽部ニュース」編集部で医療・健康情報のデジタル化と位置付けられる、人が一生涯の健康・医療情報を自ら管理できるPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)についてや、コロナ禍で非接触型医療の新たな形として注目されるオンライン診療などについて執筆している。同社の医療情報サイト「めでぃログ」ポータル(https://portal.medilog.jp/)向けにも記事を執筆している。

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