「隠れブラック上司」がやりがちなNG行為の共通項 「当人にまったく自覚がない」のが最大の問題点

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周囲のレベルとその部下のレベルに差があり、その部下の言っていること、やっていることのほうが自分の期待に応えているという場合であっても、その組織にそのレベルで動く準備がない場合に、無理にその部下に合わせようとすると、組織が機能不全になります。

何を食べるか、何の映画を観るか、どこに遊びに行くか……。物事をスパッと決められない人が多いようです。それがプライベートであれば笑い話で済むかもしれませんが、ビジネスとなると笑えません。

先日あるところでこんな話を聞きました。意思決定者がなかなか「決めない」ので困っているというのです。

彼は周囲からの提案に対して「NO」とは言わないそうです。しかし、ダメ出しだけはどんどんする。そこで再度検討して別の案を持って行くと、またNOとは言わず、ダメ出しをする。こんな感じで一向に決まらず部下たちが 困っているというわけです。

私は提案自体が悪いのではないかと思い、内容を吟味してみました。が、そんなことはないのです。

「いま決めなくてもいい」はない

上司の仕事は「わからないことを決めること」です。成功するかしないかは誰にもわかりません。部下からある程度の説明を聞いたら、自分の判断軸に照らして、「えいっ!」とひと思いに決めないといけません。

勤勉な上司の場合、自分の判断軸がないのに、下手に知識があるぶん、いろいろなオプションの検討を指示します。結果、ますます決められなくなるのです。

あなたが決められないのであれば、打開策は1つしかありません。

信頼を寄せる人に決めてもらうのです。その人に「これがいい」と言ってもらいましょう。あなたの上司でもいいでしょうし、外部のアドバイザーでもいいでしょう。

「最後は、子どもや妻が賛成するから決めた」なんていう経営者も少なくありません。どんな決め方であろうと、タイムリーに決めることが部下に対する「気くばり」となります。

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