「隠れブラック上司」がやりがちなNG行為の共通項 「当人にまったく自覚がない」のが最大の問題点

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深夜や休日にまとめて返信するのは、ブラック確定。隙間の時間を利用して、携帯端末からどんどん処理すべきでしょう。深夜、休日に返信を書いた場合には、下書きフォルダに入れておき、翌朝に送信するといいでしょう。

また、返信が遅れそうな場合には「〇日までに返事する」ととりあえず返します。長いメールが来たら、メールで返さずに電話をします。

特に長いメールを書いてくるということは、困っているか、いま何とかしてほしいと部下は思っているはずですから、その意を汲む意味からも、その場で解決できたほうがいいと思います。長いメールが来たときには極力会って話をするということを意識するようにしてください。

部下のスケジュールが公開されているにもかかわらず、それを確認せず呼びつけたり、仕事の依頼をするのもブラックです。そこには、部下の行動や負荷を把握していないうえに、部下の時間は自分のものという意識が、当たり前のように根底にあるように思います。

さらに、自分のスケジュールを公開しない上司もブラックです。部下からすると、いつどこで上司に相談したらよいかわからないからです。

みなさんが思う以上に、自分の行動がブラックであることに気づいていない管理職が多過ぎます。

こうしたブラック上司の存在率は業界ごとに異なるように思います。特に、人的流動性が低い業界で存在率が高いようです。

理由は簡単。他業界からの人材の流入がないため、世の中の変化を自分ごととして受け入れていない経営層、管理職層が多いからです。上司のやり方が変わらないので、そういう業界からはどんどん若手の有望人材が流出し、人が集まらない企業は事業継続ができなくなります。

経営層はこの悪循環を深刻な問題として捉えるべきです。

周囲とうまくいかない部下の対処

とても優秀な部下がいたとします。その部下は、自分の期待に120%応えてくれます。

その部下と話していると議論が弾み、気持ちもいい。つい、いろいろな仕事にアサインします。ところが周囲はその部下について総スカン。なんであの人ばかり重用されるのか……と陰口が飛ぶほどです。

あれだけやってくれているのに、なんでそんなにネガティブ評価なんだろう、と思い、その人の評価を修正しようとするのですが、うまくいきません。むしろ、なぜ、その人をそこまで守るのか? と周囲の感情を逆なでする結果となってしまいます。

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