コスモ社長「村上氏にプレミアムは絶対払わない」 旧村上ファンドと1年半の対立、出口はあるか?

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――今年3月に発表した「第7次連結中期経営計画」では総還元性向60%と、かなり高めの株主還元を打ち出しています。村上氏との対話が影響しているのでは?

前中期経営計画のメインテーマは財務改善だったが、現在の第7次中計は企業価値向上がメインテーマだ。それを分解していくと、株主還元も大きな要素。こうした議論から「中計3年間で総還元性向60%」を打ち出している。

株主還元強化と村上氏側とのやりとりは関係ない

世の中の動きから内部留保は許されなくなってきているし、東証の要請以前から「PBR(株価純資産倍率)1倍以上」の議論はあった。村上氏側とのやりとりは関係ない。

――今期は300円の配当(前期は150円)となりますが、それでも総還元性向は42%程度です。

3月に中計を発表して、当時は200円を配当の下限と言った。今期は配当を300円とした。われわれの業界特性として事業にボラティリティがあり、単年で60%の還元は難しいが、3年間の中計期間で還元していきたい。

少なくとも臨時株主総会までは(村上氏側の議決権比率を上げることになる)自己株買いはやりにくいが、事業環境を踏まえてなるべく早期に60%の還元を実現する。

森 創一郎 東洋経済 記者

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もり そういちろう / Soichiro Mori

1972年東京生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科修了。出版社、雑誌社、フリー記者を経て2006年から北海道放送記者。2020年7月から東洋経済記者。

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