
NTTは今年6月の総会で、10議案もの株主提案を受けた(写真:編集部撮影)
市場改革の推進や株主の攻勢によって、日本の上場企業は大淘汰の波にのみ込まれている。本特集「上場企業クライシス」では、激変期に突入した資本市場の今をリポートする。
6月19日、NTTの株主総会には、10もの株主提案が上程された。昨年は1つ、一昨年はゼロだった。アクティビストに狙われているわけではない。提案主はいずれも個人投資家だ。
NTTは2023年7月、1株を25株にする株式分割を行った。1単元(100株)約40万円だった株価は25分の1となり、個人投資家にも手が届くようになった。
株主数は22年度末の92万人から翌年に186万人、そして今年3月末には268万人にまで急増。反面、大胆な株式分割により、株主提案を行うハードルまでも下がるという副作用も生まれた。
株主提案を行うには、総議決権の1%もしくは300単元(3万株)を6カ月以上保有する必要がある。NTT株を3万株買う場合、分割前は1億円以上を投じる必要があったが、現在は500万円で足りる。「個人アクティビズム」急増の理由はここにある。
1単元10万円未満の企業が4割に
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