「七五三」なぜ祝うのか?意外と知らないお金事情 年齢によって異なる儀式、どんな準備が必要か

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そして、礼装の着物には本来は家紋を入れます。五つ紋が一番正式で、背中の家紋にはご先祖様が、両胸の家紋にはご両親(父、母)が、外袖には兄弟、姉妹が宿るという意味が込められています。背や胸の家紋の位置は急所であり、家紋は着る人を守るお守りでもあるのです。

つまり、ご先祖、ご両親、兄弟姉妹を呼び込み、祝うために、紋入りの着物を着るのです。また家紋は家のルーツを現しており、暗黙に互いに礼をつくすという役割もあります。

そして、この七五三の着物は、男児なら夫方、女児なら嫁方のご祖父が作ってプレゼントしてきたものでした。しかし、最近はレンタルで済ますご家庭も増えています。相場は1万円くらいからです。買ってもあとあと着る機会がない、後始末が大変ということを理由にされているようです。

どうやって着物を長く着る?

しかしレンタルだと家紋がお家の家紋じゃないのでご先祖様とつながらなくなります。また七五三用に作った着物ですが、それ以外にも着る機会はいくらでもあります。礼装着とは洋服でいうとスーツ。スーツを着る場面で着物を着るのもよいのではないでしょうか。

また、着物を着ると帯でお腹をしめるので、自然に下腹(丹田)に氣が落ちて、心が落ち着くと言われています。帯で背筋が伸びる、草履で足裏から土踏まずの筋肉が刺激される、絹のたんぱく質は人肌と似ていると言われており、情緒が落ち着くといった効果もあるようです。着物は子供の心身を豊かにしてくれるのです。

着物は直線裁ちなので、糸を解けば一枚の反物に戻すことができます。長く着る予定がないときは解いてきれいに洗い布にもどし、また後々に仕立て直せば、保管は簡単だし末代まで使えます。

一式揃えれば少なくとも5万円くらいはかかりますが、何十年にもわたって着ることができて、最後は端切れとして使いきるとすれば決して高い買い物ではないのではないでしょうか。

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