ランキングの1位は、トヨタ自動車が社会貢献事業の一環として設立した豊田工業大学。卒業生が132人と少ないこともあるが、前年の実就職率を16.4ポイントと大きく上回ったことで、長らくこのランキングの1位と2位を分け合っていた一橋大学と東京工業大学を抜き去り、昨年の3位からトップに立った。
大学としての知名度はそれほど高くないが、国公立大並みの安い学費と高い就職力が相まって受験生の人気が高いことから、難関私大の理工系と同程度の難易度の大学だ。
2023年卒の就職者が最も多い企業はトヨタ自動車(11人)で、豊田自動織機(5人)、アイシン、ダイキン工業、豊田合成(各3人)など。トヨタ系列の企業に強さを発揮している。
一橋大は昨年と同じ実就職率を維持しているが、豊田工業大に押し出される形で1位から2位に順位を下げた。就職者が多い企業は、大和証券、楽天グループ(各25人)、EYストラテジー・アンド・コンサルティング(15人)、明治安田生命保険(13人)、アクセンチュア、あずさ監査法人(各12人)など。
3位東京工業大の就職者が多い企業は、ソニーセミコンダクタソリューションズ(31人)、日立製作所(29人)、NTTデータ、ソニー(各25人)、アクセンチュア(24人)などとなっている。
早稲田大学と慶應義塾大学の就職者が多い企業
4位は昨年と同順位の慶應義塾大学。卒業生数を上位3大学と比較すると、豊田工業大の59倍で、3大学の中で最多の東京工業大との比較でも2.6倍。このように卒業生が多いにもかかわらず、実就職率は44.2%と上位3大学と大差ない。
当然、有名企業400社の就職者数も多く、豊田工業大の63倍に当たる2891人に上る。ちなみに有名企業400社の就職者が最も多いのは11位の早稲田大学で3266人。同大は、1万人を超える卒業生がありながら、その内の34.0%が有名企業に就職している。
早慶の就職者が多い企業を見ておこう。慶應義塾大は、アクセンチュア(86人)、楽天グループ(79人)、NTTデータ(75人)、野村総合研究所(70人)、PwCコンサルティング(69人)。早稲田大は、NTTデータ(101人)、楽天グループ(93人)、富士通(82人)、アクセンチュア(81人)、ベイカレント・コンサルティング(65人)などとなっている。
慶應義塾大以下は、5位名古屋工業大学、6位東京理科大学、7位電気通信大学、8位九州工業大学、9位名古屋大学、10位大阪大学で、工科系トップ大学と旧帝大が名を連ねる中、最難関の東京大学(24位)と京都大学(15位)は意外に順位が低い。
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