東京大と京都大ともに、一般企業以外の就職者が多いことが実就職率が上がらない一因となっている。公務員離れがいわれる東京大だが、それでも外務省(24人)、総務省、経済産業省(各19人)、財務省(18人)などトップ省庁に数多く就職している。教員や研究者など自大学に残るケースも多く、附属病院を合わせると、東京大は173人で京都大は161人となっている。
両大学の就職者が多い企業は、東京大がアクセンチュア、ソニーグループ(各57人)、楽天グループ(47人)、日本IBM(34人)、野村総合研究所(32人)。京都大はアクセンチュア(36人)、楽天グループ(28人)、三菱重工業(25人)、野村総合研究所(23人)、住友化学、三菱UFJ銀行(各20人)など。
コンサルティング会社への就職が増加
ランキングトップ3や早慶、東京大、京都大などの就職者が多い企業を見て気づくのは、アクセンチュアなど、外資系を中心としたコンサルティング会社が多いこと。これは他のランキング上位大学にも共通する傾向だ。
デジタル化を推進するDX(デジタルトランスフォーメーション)やカーボンニュートラル社会の構築を進めるGX(グリーントランスフォーメーション)の技術がこれからの企業の発展に不可欠となる中、規模や業種を問わずこうした課題解決のためのコンサルティング業務が増えていることが、難関大からの採用が増えている一因と見られている。
NECソリューションイノベータやNTTデータ、日本IBM 、富士通など、DXやGXを技術面から支える情報通信関連企業もランキング上位大学で増えている。
「有名400社への実就職率が高い大学」の上位大学の顔ぶれに変化は見られないが、就職者が多い企業は、大手金融や製造業から、社会状況の変化に則した今どきの企業にシフトしている。
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