受験生が大学選びの際に重視する項目として、相変わらず就職状況が大きな位置を占めている。毎年大学通信は、進学校の進路指導教諭を対象としたアンケートを行っている。
その中の「生徒に人気のある大学はどのような大学でしょうか」との問いに対する回答として、「自分のしたい勉強ができる大学」「知名度が高い大学」「社会的評価・イメージが良い大学」などとともに、「就職に有利な大学」はつねに上位に入っているのだ。
受験生がもつ「就職に有利な大学」のイメージは、以前なら単に就職させてくれる大学、つまり就職率が高い大学だった。しかし、近年は、大学生の売り手市場を背景として就職率の高さは当たり前となり、どのような企業に就職できるのかが重視されるようになっている。
就活のハードルが高い有名企業に入れる大学は?
受験生が就職先として注目するのは有名企業。有名企業を大企業と同義としてデータを見ると、そのハードルはとても高いことがわかる。
リクルートワークス研究所の調べによると、2023年3月卒の全企業を対象とした求人倍率が前年を0.08ポイント上回る1.58倍なのに対し、従業員規模5000人以上の大企業の求人倍率は前年を0.04ポイント下回る0.37倍。大学生1人当たり0.5社もないのだ。
大企業の求人倍率が下がっているのは、求人件数の増加分を超えて就職希望者が増えていることにある。大企業が大学生から人気が高いのは、高い給与水準や就労環境、仕事のやりがい、自身が成長する機会などが高い次元でバランスが取れている企業が多いためだ。
では、入社希望者が多いのに間口が狭い、就活のハードルが高い有名企業に多くの学生が就職している大学はどこなのか。「有名企業400社への実就職率が高い大学」から見ていこう。
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