「自由にやってきた40~50代」に何も残らない理由 地味でも自分に「軸」を持ち人とつながろう

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その前のネットバブルで成功してFIRE的な人生を送っている人はどうかというと、過去の栄光を自慢するだけで、正直あまり幸せそうではありません。すると人間は、本質的に社会と関わっていること、何らかの形で貢献していることに生きている喜びがあるのではないでしょうか。どんなに人生が長くなっても、持続して社会と関わりを持ち続ける人生のほうが幸せなのではないかと思います。

大事なのは、継続して人と関わること

社会と関わるとは、人と関わるということです。詰まるところ、より良き100年人生とは人間関係に集約されるのではないでしょうか。お金は食べていく分があればいい。車を何台も持っていたって、乗るのは1台だけです。

人と人がつながれば、そこにコミュニティが生まれます。同じ業種同士でつながれば、おのずとさまざまな情報に触れることができます。

『16歳からのライフ・シフト』の特設サイトはこちら(画像をクリックするとジャンプします)

よく知られているのが、アメリカの社会学者であるマーク・グラノベッターが提唱した「弱いつながり」です。たとえば転職するにしても、家族や親しい友人ではなく、何かの勉強会で一緒になったとか、たまにしか会わないといった人たちから有用な情報がもたらされる。情報が共有されすぎていないからこそ、新しい発見があるのです。

こうしたコミュニティに属するには、何より軸を持ち、専門性を磨くことが大事です。そうしているうちに、自分が持っているスキルや専門性を頼ってさらに人が集まってきます。

繰り返しになりますが、専門性を磨くには、逃げ場は用意しつつ、ある程度プレッシャーがかかる仕事も経験しておいたほうがいい。結果的にコミュニティはついてきます。良き人々と関わり続けること。それが100年人生を生きるために最も大切な無形資産ではないかと思います。

佐々木 俊尚 作家・ジャーナリスト

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ささき・としなお / Toshinao Sasaki

1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。毎日新聞記者、『月刊アスキー』編集部を経て、2003年よりフリージャーナリストとして活躍。ITから政治、経済、社会まで、幅広い分野で発言を続ける。最近は、東京、軽井沢、福井の3拠点で、ミニマリストとしての暮らしを実践。『レイヤー化する世界』(NHK出版新書)、『そして、暮らしは共同体になる。』(アノニマ・スタジオ)、『時間とテクノロジー』(光文社)など著書多数。

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