一流の技術者ほど「マルチタスク」しない納得理由 複数の仕事を効率よく進めるためのテクニック

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彼は世界トップクラスのプログラミング力の持ち主だが、1日がほぼ会議で埋まるほど忙しいはずなのに、驚くべき生産性で「電話番」もバンバンこなしていく。彼を観察して気づいた私との大きな違いは、「WIP=1」だ。

WIP(Work In Progress)とは、今手を付けている仕事のこと。つまり、「WIP=1」とは「今手を付けている仕事を1つに限定する」ということだ。

アジャイルコンサルタントだったときによく学んだ概念だ。ポールはどんなに忙しくても、一度に1つのことしかしないし、他の人以上に1つへの集中力が半端ない。

重要なのはとにかく「その場で解決」すること

私の場合、例えばインシデントの解決支援のための会議が毎日ある。その間、自分に関係ない話は聞き流しながら別の作業をやっていたりする。正直なところ、さほど進まないのだが、仕事がたまっているから不安にかられてつい手を動かしてしまう。

ところが、ポールは会議で自分に関係ない話が続くところでも、一切ほかの作業をやらず、チャット返信すらしている様子がない。

彼はその場で問題のあたりをつけたり、あたりがつかない場合も「これはほかの部署に転送しよう」「誰々さんに聞いてみよう。よしメールを書こう」と、とにかく「何かを進めよう」とする。

必ず問題をその場で解決する、もしくはステップを1つ進めているのだ。
ここで学んだことは、次のポイントだ。

・ どんなすごい人でも、時間がかかることはかかる。焦らずに時間をかける。
・ 30分から1時間を割り当てたら、そのこと「のみ」に取り組む。すぐに終わらないものは、人に問い合わせるなど、物事を進めておいて、待ち状態にして、次のタスクに進む。
・ 1つのことをやっているときは、他のことは一切せず集中する。
・ 1つのタスクを中断する場合、次に再開するときに、すぐにその状態に戻れるように記録したり、整理しておいたりする。
・ タスクの残骸は消しておく―例えばブラウザのタブは、そのタスクが終わったら閉じて、必要なものは記録する(そうしないと、気移りしてしまう)。

つまり、「マルチタスク」はどんな人にとっても生産性が悪いので、「マルチタスク」をしないことが解なのだ。

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