一流の技術者ほど「マルチタスク」しない納得理由 複数の仕事を効率よく進めるためのテクニック

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同僚に技術力ナンバーワンのバーラという秀才がいる。彼はあまりに何でも知っていて優秀だから、周りからは「オラクル」と呼ばれているほどだ。

リモートで働いている期間、彼は1回もビデオをオンにしないので、誰も顔を知らず、Botじゃね?と冗談が交わされるほどであった。

ところが、最近そのバーラが会社に毎日来るようになった。彼は毎日夕方ぐらいに来て、そこからプログラミングをしている。

日中はミーティングだらけで仕事にならない

今までリモートで彼の働き方がわからなかったが、普段から彼は異常にレスポンスが良い。彼に質問したらいつでもすぐに回答をくれるし、大量にメンションされるE-mailにも丁寧に返答している。

『世界一流エンジニアの思考法』(文藝春秋)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

いつもどうやって開発しているのだろうと思っていたが、私が「なんで夕方に来るの?」と尋ねたらこう返ってきた。

「今ぐらいの時間までたいていミーティングが乱立しているんだ。ミーティングはどうしてもリモートになるから、オフィスよりも家のほうが効率が良い。だからだよ」

えっ、それって人の2倍働いてるってことか! 昼間は会議とか質問対応で仕事にならないから、夕方から来て誰にも邪魔されない時間に開発していたとは……。

彼ほどの秀才もマルチタスクを避けて、プログラミングに集中する時間をアサインメントしているのはちょっとした衝撃だった。

牛尾 剛 マイクロソフトエンジニア

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うしお つよし / Tsuyoshi Ushio

1971年、大阪府生まれ。米マイクロソフトAzure FunctionsプロダクトTチーム シニアソフトウェアエンジニア。シアトル在住。関西大学卒業後、大手SIerでITエンジニアをはじめ、2009年に独立。アジャイル、DevOpsのコンサルタントとして数多くのコンサルティングや講演を手掛けてきた。2015年、米国マイクロソフトに入社。エバンジェリストとしての活躍を経て、2019年より米国本社でAzure Functionsの開発に従事する。著作に『ITエンジニアのゼロから始める英語勉強法』などがある。ソフトウェア開発の最前線での学びを伝えるnoteが人気を博す。

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