ある地域を観光産業で元気にしたいと考えたとき、その地域が歩んできた歴史は大きな武器になるでしょう。しかし、歴史に基づいて地域をブランディングするというのは、そう容易なことではありません。まちおこしがうまくいかない事例はどれもよく似た失敗をしているのです。本稿では、歴史文化を活用したまちおこしの失敗パターンを2つ紹介します。
※本稿は久保健治氏の新著『ヒストリカル・ブランディング 脱コモディティ化の地域ブランド論』から一部抜粋・再構成したものです。
歴史文化による地域振興は失敗することもある
歴史文化は観光地の競争力を高めるものだといえる。しかし、読者の中には次のように思う人も少なくないだろう。
「歴史文化が差別化になるという理論はわかったが、現実には実践しているのに失敗としか思えない事例もある。理論と現場は違う」「いままで、歴史文化振興を頑張ってきたが結果が出ていない」等々。
歴史文化を活用することの利点はあるが、歴史を使えば100%成功するわけではない。そして、そのような「魔法」は地方創生や観光においては存在しない。当然成功もすれば、失敗もする。
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