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キャリア・教育 #ヒストリカル・ブランディング

歴史的魅力ある街が観光振興で失敗する共通原因 失敗した事例はどれも似たようなものが多い

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トルストイは「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」と述べているが、少なくともヒストリカル・ブランディングにおいては、「成功した事例は、それぞれに成功しているが、失敗した事例はどれも似たようなもの」といったほうがいいようなことが多い。

ここではよくある失敗事例を紹介したい。

よくある事例①歴史文化をアピールしたが…

地方創生を目的とした部署に配属となったAさん。Aさんは、地域の新しい魅力を発信しようと考えた。上司からは地域の歴史文化を活用するようにとの指示を受けた。いろいろと調べた結果、一般的には知られていないが、興味深い歴史的事象を発見した。

念のため周囲の人にも聞いてみたが、皆も「へー、それは知らなかった。そんな歴史があったんだ。面白いね」という反応。そこで、Aさんはみんなに知ってもらえれば興味を持ってくれると思い、キャンペーンを実施することにした。

地元紙でも「知られざる歴史」として掲載はされたものの、観光客への誘致などにはなかなかつながらない。地元企業と連携して地元の木で作った特産品の酒升といったオリジナルグッズを開発したものの、盛り上がりにかけてしまっている。そのため、次の一手が見つけられず、協力してくれていたボランティアの人たちも徐々に減ってきてしまっている。

この事例は、いくつかの地域で私が聞いた内容を基にして創り上げた架空の事例である。Aさんのやり方はいったい何が悪かったのだろうか。その理由について理論を基にして分析してみよう。

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【「知られざる事実」だけでは観光につながりにくい】

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