黒岩知事が語る「神奈川版ライドシェア」の現実味 独自制度は「移動の足」確保の切り札になるか

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――タクシー会社ではドライバーの人手不足に加えて、管理職の人手不足もあります。そんな中でタクシー会社に運行管理を任せて業務量を増やせば、現場に過度な負荷を掛けることになりませんか。

それはおそらく、それぞれのタクシー会社によって事情が違うだろう。検討会議のメンバーにはタクシー協会などもいるので、そのあたりもどんな仕組みを作るのかについては知恵を出し合えると思っている。人手不足で大変な状況で「そんな余裕ないよ」というタクシー会社に、押し付けるなんてことはありえない。

自民党の政治家の動きとは「たままたつながった」

――自民党内の政治家が相次いでライドシェアに対して前向きな姿勢を示していますが、神奈川県は彼らと連携しているのでしょうか。

菅義偉前総理、河野太郎デジタル大臣、小泉進次郎県連会長が前向きな発言をしているが、べつにわれわれはすり合わせをしながらやっているわけではない。国民の生の声を聞いている政治家の立場として、タクシー不足をなんとかしなくてはいけないという思いを持ち、それぞれが発信をする中で、たまたまつながった。

しかしこれからは、神奈川版ライドシェアの検討会議には国交省のメンバーも入っているわけなので、連携していくことが必然的に起きてくるだろう。

――三浦市民や県民に対して、本案でどのようなところを期待してほしいですか。

先ほど申したように、ライドシェアという言葉そのものにある種の固定観念があるが、われわれはそれを強引にやろうとしているわけではない。タクシーが実際に不足していて、移動手段の確保ができなくなっているという現状を踏まえて、あくまで県民目線・利用者目線に立った新しい仕組みを作っていこうとしている。

今までの固定観念ではない、新しい形のライドシェアを模索しており、そこのところはきちっとご理解いただきたい。そして、一緒になって作っていきたいと訴えたい。

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村松 魁理 東洋経済 記者

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むらまつ かいり / Kairi Muramatsu

自動車業界、工作機械・ロボット業界を担当。大学では金融工学を学ぶ。趣味は読書とランニング。パンクロックとバスケットボールが好き。東京都出身。

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