黒岩知事が語る「神奈川版ライドシェア」の現実味 独自制度は「移動の足」確保の切り札になるか

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――安全面を懸念する声もあります。

安全面は非常に大事なことだと思う。ただ、「安全」について考えたときに、タクシーは完全に安全なのかというと、そんなことはありえないわけだ。

くろいわ・ゆうじ/1954年生まれ。1980年早稲田大学政治経済学部卒業、同年フジテレビジョン入社。「FNNスーパータイム」や「報道2001」のキャスターを務める。2009年フジテレビ退職。2011年、神奈川県知事選挙に無所属で出馬し初当選。2023年4月より4期目(撮影:大澤誠)

自動車が走るうえで、安全をなるべく確保しようと努力することは基本だと思う。今はテクノロジーもかなり進歩してきていて、車の安全性もずいぶん高まっているという状況で、「2種免許を持っていないから、この人の運転は安全じゃない」ということではないと思う。もしそうだとしたら、恐ろしくして普通に道を走れない。

神奈川版ライドシェアも、皆が安全だという安心感のもとで、どのようにシステムを運用していくのかという問題だと思う。安心感をどう確保していくのかということについては、タクシー会社としっかり協議しながら案を作っていくことになる。

料金はメーターではなくアプリを活用

――料金設定はどうしますか。

料金のあり方はどんな形がいいのかということは、検討会議でタクシー会社やタクシー協会、国交省と議論していく課題だ。少なくとも、一般の車に料金メーターをつけるという発想はたぶんないと思う。アプリを活用し、「ここからここまで行く」という時に料金がポンと出てくるようなイメージだ。

アプリをどう開発するかということについては、今のタクシー業界にも「GO」のような配車アプリのシステムがあるので、それを一般ドライバーに広げていくような形が現実的なのかなと私は思っている。

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