「日本シリーズ」セ・パの対抗意識が激しい歴史背景 「球界再編」で両リーグ体制に激しい亀裂

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パ6球団が巨人と組んで「球界再編賛成」、巨人以外のセ5球団が反対すると言うねじれ現象が起こったのだ。阪神電車は「球界再編反対」というヘッドマークを付けた電車を走らせた。巨人の渡辺オーナーは「NPBを脱退して新リーグを作る」という構想まで匂わせた。

結局、渡辺オーナーの「たかが選手が」発言が世の反発を招き、古田敦也選手会長による「ストライキ」が世論の支持を得て「球界再編」は不発に終わった。

この年、パ・リーグ側の申し入れで、翌年から「交流戦」が行われるようになった。これはMLBが1997年に導入した「インターリーグ」にならったものだが、「交流戦」導入以降、セ・パの障壁は明らかに低くなった。「球界再編騒動」のプラスの側面だろう。ただ「オールスター戦」の真剣味が減退したのはやや残念ではあったが。

59年続いたセ・パ両リーグは組織としては消滅

こうして長くいがみ合ってきたセ・パ両リーグに雪解けムードが訪れる。そしてついに2009年1月1日、セ・パ両リーグの連盟事務局と直下の審判部・記録部はコミッショナー事務局と統合され、コミッショナー直属の「セントラル・リーグ運営部」「パシフィック・リーグ運営部」「審判部」「記録部」となり、リーグ会長職は廃止された。59年続いたセ・パ両リーグは組織としては消滅したのだった。

しかしながらそれでもセ・パ両リーグの対抗意識はしぶとく残っていた。2011年3月11日に起こった東日本大震災後、巨人などセ・リーグは震災から6日後の3月17日の臨時実行委員会で、予定通り3月25日の開幕を目指すとし、楽天イーグルスが被災したパ・リーグは延期すると発表した。しかし文部科学省がNPBに開幕延期を要請、日本プロ野球選手会の新井貴浩選手会長も、セ・リーグの開幕延期を要望した。

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