なぜ世界の開発現場では「失敗」を重視するのか 生産性低い日本人が知らない「Fail Fast」の価値
インターナショナルチームでまず気づいたのが、同僚や上司が「Miserably Failed(惨めに失敗した)」という言葉を頻繁に使っていることだった。
日本では「決して失敗は許されない」プロジェクトが多々あった。しかし、人間なので、いくら失敗が許されない状況だろうが、どんなに準備しようが、失敗は発生する。
奇妙なことに日本では、ネットでもお客さんが激怒し、炎上して中身も売れ行きもボロボロなのに、納期と予算を守ったという理由で「成功」したことになっているプロジェクトをいくつも見てきた。
組織で失敗すると、左遷されたり詰め腹を切らされたりして悲惨な目にあうので、失敗を認めづらいのだ。だから、ビジネスにおけるあらゆる選択肢は、個人としても組織としてもつねに無難なほうへと流れてゆく。
失敗の報告には「フィードバックをありがとう!」
一方、アメリカでは、失敗や間違いで怒られることが皆無だ。失敗に気づいた後に、本社に報告すると、「フィードバックをありがとう!」と大変感謝される。
もっと言うと、誰がやってもうまくいくようなことを無難に実施してミスがなくても、それは評価の対象にならない。
例えば、私は本番環境をお客さんとハックして改善する「ハックフェスト」という取り組みをやっているが、そこではいつも「お客さんの最も難しい問題を解いてこい」と言われる。
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