「シリコンバレー流」才能の見つけ方&伸ばし方 まず目を付けるべきは子どもの3つの才能

拡大
縮小
パソコンを操作する幼児
AIに使われる側でなく、使いこなせる側になるには(写真:PIXTA)

2つ目に磨いておきたい才能は「集中力と持続力」だ。

チャットGPTには大規模言語モデルが使われている。ネット上にあふれる大量のテキストデータを収集して分析、最適解を吐き出す仕組みだ。膨大な論文や難解な書籍も箇条書きなどで要約してくれて実に便利だが、あくまでアウトプットは「まとめ」でしかない。

基となった1次資料の学術論文や書籍には、AIにはじかれた情報が山のようにある。より深い知識や知見を身に付けるには、1次資料に当たるのがベストだ。

だが、集中力や持続力がないと、こうした長文を読解できない。若い世代ほどアテンションスパン(1つのことに集中する時間)が短く、一説には「15秒しかない」とさえいわれる。彼らは最長でも1本60秒のショート動画や、サブスク配信のため曲のサビしか聴かずスキップするような、時短コンテンツに慣れすぎているからだ。

そのため、200ページ以上ある本を隅々まで読むような集中力と持続力が弱まっているのだ。

結果、情報を得るソースが生成AIにインスタントにまとめられたものばかりになりかねない。それでは知見も教養も深まらないし、競争優位性も得られない。

新しいことに挑む実行力と挑戦心

そして3つ目は「新しいことに挑む実行力と挑戦心」だ。

AIの進化は驚くほど早く、不可逆的だ。今後、多くの仕事をAIが侵食し、人手が必要なくなる職業が増えるはずだ。そのような変化の激しい中でも新たな業界や職場に飛び込むことを恐れないマインドセットがなければ、生きるすべがなくなりかねないわけだ。

親世代以上に、子どもたちの将来はアンラーニングやリスキリングが求められるに違いない。

次ページ才能を育むために親ができること
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT