櫻井よしこ氏が指摘「一帯一路は基本的に失敗」 参加国のうち42カ国が「債務の罠」に陥っている

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(写真:FNNプライムオンライン)

“ロシア回避ルート”狙う理由

梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):習主席は一帯一路フォーラムで新たなルート、すなわちカスピ海を横断するルートに積極投資を行うと発表した。カザフスタンとアゼルバイジャンなどが欧州への輸出を念頭に開発を進めてきたルートだという。カザフスタンはユーラシア大陸でロシアに次ぐ天然ガスと石油の宝庫、アゼルバイジャンは輸出の9割を天然ガスと石油が占める資源大国だ。

ロシアによるウクライナ侵攻後、こうしたロシアを回避する物流ルートに世界が注目をしているという。物流ルートには当然モノが集まり、人が集まり、金が集まってくる。ロシアを回避する形となるこのルートについて習氏は、プーチン氏がいる前で、一帯一路の今後の取り組みの第一項目にあげた。

松山キャスター:習氏は一帯一路計画についてはこれから「量から質」に転換していくのだと、もっと質のいい投資を行っていくのだという考えも示した。今回新たなルートを発表した思惑について。

宮家邦彦氏(元外交官・内閣官房参与):これも量を増やしてるだけだ。質が本当にいいのだったら、もうとっくに投資が行われ、動いているはず。こんな人のいないところにこれだけの投資をして果たしてペイするのか。何か一つ新しいものを打ち上げたいという気持ちはわかるが、実現可能性は高いとは思わない。

(写真:FNNプライムオンライン)

松山キャスター:日本政府も中央アジア地域には非常に強い関心を持っている。中国による中央アジア地域への投資拡大は、日本にはどのような影響があるか。

櫻井氏:日本政府は中央アジアをものすごく大事なところだと見ている。中央アジアは、ロシアからも中国からも取り合いの対象になっていて、どっちが影響力を強めるかということ。今回の中東情勢とイランのことにも結びついていく。ロシアと中国の間にあって、人口がかなりあって、資源がものすごくあって、地政学的にも大事なところということで、このユーラシア大陸を中国が自分のものとして支配することがないようにするためにも日本は中央アジアとの関係を積極的に作っていかなければいけない。日本政府はそのことをいいと思っていると思う。ただ、あまり進んでいないという印象はあるけれど。

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