櫻井よしこ氏が指摘「一帯一路は基本的に失敗」 参加国のうち42カ国が「債務の罠」に陥っている

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以下、番組での主なやりとり。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):米国のヒラリー・クリントン元国務長官は(番組単独インタビューの中で)「中国がロシアを従属国にしようとしている」と述べた。今回、習近平国家主席が提唱した「一帯一路」の国際フォーラムにロシアのプーチン大統領が参加した。

プーチン氏がウクライナ侵攻後に国外に出るのは、旧ソ連構成国を除いては初めてということで注目された。実際は、一帯一路国際フォーラムに参加した各国首脳の人数は前回の37カ国から22カ国へと減少している。特にヨーロッパはハンガリーだけで、G7(主要7カ国)で唯一参加していたイタリアはすでに(構想からの)離脱を中国側に伝えたという報道がある。一帯一路はすでに行き詰まっているのか。どう見るべきか。

提唱から10年…中国「一帯一路」岐路に

櫻井よしこ氏(ジャーナリスト・国家基本問題研究所理事長):かなり行き詰まっていると思う。習近平氏が総書記になったのが2012年、翌年13年にこの一帯一路を提唱してちょうど10年になる。この10年間で彼らは(日本円で)だいたい36兆円分の投資をしていると聞いている。アジアインフラ投資銀行(AIID)などを通して6兆円とか、その他かなりの金を投資して中国のためのこの経済活動を世界中に広げようとしたわけだが、中国のための経済活動で、援助を受ける国のことは考えていない。そのため債務の罠のようなことが起きる。

米国のエイドデータ研究所によると、中国の一帯一路に参加した国々の中のだいたい42カ国が国民総生産(GDP)の10%以上の債務を抱えて、いわゆる「債務の罠」に陥っているという見通しというか、推測がある。債務の罠に陥った国は債務を返せないから、中国に跳ね返ってくる。この一帯一路計画は基本的に失敗したと見ていいと思う。 

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