軽い気持ちで「副業」始めた20代女性を襲った悲劇 キラキライメージあるが「兼業とは、限界の塊」

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ということは、私は会社の会議に出た後、TBSラジオに出演する必要がある。会社の勤務形態はフレックス規定なので(とはいえ就業時間は決まっていたが)、勤務日の合間にラジオ出演することは、規定上は問題ないのだった。幸い、会議とラジオの時間はぎりぎり被っていない。

「よし、事情を話して、TBSの打ち合わせ会議室で、会社の会議に出させてもらおう!!」

時代はコロナ禍。会社はリモートワーク。TBSから会社の会議に出ていても、一応何の問題もないのだ。私は出演承諾のメールを打った。

結局、本当だったらラジオ直前におこなわれる打ち合わせを30分前倒ししてもらい、ラジオの時間と会議の時間をずらすことに成功した。

TBSからリモート会議に参加しようとした結果…悲劇が

当日、私はやや緊張しながら午前中の会議に出た。もはやこの緊張は出演することへの緊張というより、はたして自分は会議とラジオのどちらも遂行できるのか、という緊張である。

会議を終え、昼休みの時間帯。急いでタクシーに飛び乗る。会社PCを入れた鞄を片手に、緊張しながらTBSへ向かう。そして無事ラジオの打ち合わせが終わった。

さあ、会社の会議だ。思った瞬間、気づいた。

テレビ局の、ラジオを放送している階では――フロア全体にラジオの声が響き渡っているのである。

「これ、会社の会議でしゃべってたら、TBSラジオ丸聞こえ!?!?!?」

焦った。焦りまくった。人生であんなにも「終わった」と思った瞬間はない。響き渡るラジオの声は、おそらくあなたが想像する5倍は大きい音量なのである。

さすがにこのなかで会議に出たら、まじめなムードのなか「三宅は今どこにいるんだ……」とざわつかれることは必至である。

無理だ。2年目のぺーぺーがそんなムードに耐えられる気がしない。どうする。

赤江さんの朗らかな声が響き渡る。絶望。

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