なぜ「指示管理型」マネジャーを目指すべきなのか 部下に細かく指示する管理職は昨今不人気だが
それぞれの特徴を簡単に解説しましょう。
指示管理型は、チームや個人の目標設定、日常の指示や管理を重視するタイプです。進捗の管理や新たな課題への対応がしやすい、というメリットがあります。ただし反面で、上意下達、マイクロ・マネジメントに陥りやすいというマイナス点もあります。
ビジョン型は、事業の目的や意義、行動のあり方や考え方の浸透を重視するタイプです。このタイプは、チームのコミュニケーションが円滑になり、一体感が醸成されやすいメリットがあります。ただし、目の前の成果に結びつくには、考え方や行動の指針を粘り強く語り続け、チーム内のコンテクスト(目的、行間、文脈)を合わせる必要があります。
職人型は、マネジャーが自ら率先垂範し、成果を出すことを重視するタイプです。マネジャーやメンバーの意識が目の前の仕事に向き、短期的な成果につながりやすいメリットがありますが、反面ではマネジャーが目の前の仕事にこだわるあまり、視座が低くなりがち、というマイナス点もあります。
奉仕型は、多様なメンバーの意思と関係性を重視するタイプです。昨今、好まれる「優しさ」を大事にするあり方と言えます。個々人の意思を尊重することでメンバーの自立的な成長につながり、挑戦を後押しするというメリットがありますが、反面で、「優しいだけでマネジャー自身には答えがない」という批判も生まれがちです。
これらのタイプのうち、どれを選ぶべきか。それは、その時々にチームが置かれた状況や、メンバーのコンディションによります。大事なことは、「どれがチームにフィットするか、マネジャーが考える」ということです。
繰り返しになりますが、4つのタイプはどれがいい/悪いというものではなく、一長一短があります。
あなたのタイプがどうであれ、今のマネジメントがチームにフィットしていない、例えば業績が上がらない、メンバーがあまり元気に見えない、というようなことがあるのであれば、あなたが自然に行っているマネジメントを見直す必要があるかもしれません。
「指示管理型」の3つのメリット
「伴走するマネジメント」は、前述した4つのマネジメント・タイプのうち「指示管理型」を軸とします。
メンバーの個を尊重することが求められ、1on1ミーティングに代表されるチームのコミュニケーション重視が支持されている昨今では、「指示管理型」は著しく人気を落としているタイプでしょう。
なのに、なぜ「指示管理型」なのか。メリットは3つあります。
「指示管理型」には上意下達になりがちで、マイクロ・マネジメントに陥りやすい一面があるのは事実です。ただそれは本質的な欠点ではなく、指示をする時にマネジャーの視野をメンバーと共有できていないことで、そのようなマイナス点が生じるのです。
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