「ロジックだけ」では人を動かせない納得の理由 聞き手を動かす「想い」とは一体なんなのか
先のケースは、自分で学ぼうという意思がある状況でしたので、想いを乗せるということができました。今回は、相手に対して提案を持ちかけるという状況になるため、想いに寄り添うというアプローチが必要になります。
「プログラミングを学んだほうがいい」と持ちかけられたときに、相手がどんなことを感情的に反応しそうかを考え、それに応えるようなメッセージを加えてみましょう。
例えば、「自分ができるのだろうか」といった不安を覚える可能性があります。そこで、「プログラミングもいわば1つの言語。1つひとつ積み上げていけば話せるようになるので、初心者でも大丈夫!」といったことが言えそうです。
ここまで考えてきたことをつなげると、次のような提案ができそうです。
「プログラミング、学んでみたらよいのではと思うんだよね。これからの必須のスキルになってきているし、きっとこの先の活躍の場が、広がると思うから。初めてかもしれないけど、プログラミングもいわば1つの言語。1つひとつ積み上げていけば話せるようになるので、初心者でも大丈夫だから」
ポイントは、論理の軸で、相手にとっての意味合いを考慮して、コメントが追加されていること。そして、相手が感情的に反応しそうな内容を先回りしてメッセージに盛り込んでいる点です。反応を正確に予想するということよりも、想定した反応に先回りしてメッセージをするというプロセスが大事です。
なぜならば、それは相手のことを想って事前に準備をしてきたということの証左であり、「自分(相手)がどのように考えるかを事前にイメージを持って考え、それに応えようとしてくれた」ということを相手に伝えることができるからです。
独りよがりな意見の押しつけに注意
ここまでに考えてきたことをまとめておきます。
ロジックをつくること=言いたいこと+論理的な理由
これはみんな意識しますが、感情的な要素はそこまで意識されていないのも事実です。また、ロジックだけでは人は動かないのも事実です。したがって、感情的な要素を盛り込むことができないかということをつねに意識するようにしましょう。
自分の考えを伝える=言いたいこと+論理的な理由+感情(想い)
相手に対して提案をする=言いたいこと+論理的な理由+寄り添い(相手にとっての意味合い+反応への先回り)
一方で、寄り添ったつもりであっても、それが、独りよがりな意見の押し付けになっていないかという視点はつねに持っておきましょう。
「人」の「為」と書いて、「偽り」になるように、寄り添ったつもりで、その行為自体に満足してしまうと本末転倒です。100%理解できることはないということをわかったうえで、寄り添おうとする姿勢が大切です。
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