「FIREでできた心の穴」埋めた驚きの"人生の決断" FIREを捨て「自己肯定感」取り戻した"選択"とは
自分の好きだったことを仕事にしたことで、「社会的なつながり」が回復でき、その結果、自己肯定感が再び高まった。
家族も「新しいビジネス」を応援してくれているうえに、ビジネスもこれまでのところ順調なことから、これまで議論してきたFIREによって新たにもたらされたさまざまな形でのストレスが、大きく減ったからだ。
起業し、再び仕事を始めたきっかけとは?
なぜFIREしたのに起業してまた再び仕事を始めたのか、そのきっかけは「思ってもみなかったこと」だった。
仕事を終え、帰宅前に張り詰めた神経をリラックスさせるため、遅くまで営業しているバーでウイスキーを飲むのが昔から好きだった。
そしてそれが高じて、海外でしか入手できないウイスキーを、個人輸入までしていた。ウイスキーの本場、スコットランドに蒸溜所見学に行ったこともある。
FIRE後も好きなウイスキーを飲みにバーに出掛けていたのだが、ある日尊敬しているバーテンダーの方からこんな相談を受ける。
「ヤナさん(筆者)、アメリカ市場限定で発売されたあのラフロイグ、間違いなくすばらしい酒なんですけど、なんとか日本に持ってこられませんかね?」
ラフロイグというのは最も有名なスコッチウイスキーの銘柄の1つ。
日本へのウイスキーの輸入は、欧州からは比較的簡単だが、アメリカは酒の販売のルールが一般に厳しく、州をまたいでの移動が難しかったり、テロ対策もありアルコール度数の高い酒を航空輸送して輸入するハードルも極めて高い。
そのバーテンダーの方は、私がアメリカの会社にずっと働いていたことをご存じで、筆者ならなんとかできるかも、ということでご相談をいただいた。
前職の26年間のたたき上げで身につけた、ジョン万次郎状態から学んだ英語でのコミュニケーションや、英語で調べ物や交渉を行うスキルは、FIRE後まったくの無用の長物となっていたが、そのスキルが再び日の目を見るときが来たのだ。
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