"極東の国民"にとって「西洋哲学」とは何か

哲学が「思想」でも「人生論」でもない理由

アテナイの学堂より、プラトンとアリストテレス(写真:クラム / PIXTA)

あえて前回と同じ書き出しにします。最近、この連載を読んで「哲学塾」に申し込む人が少なくないので、今回は、潜在的入塾希望者のために「哲学塾」とはどういうところか、語ることにしましょう。とても簡単であり、哲学をするところです。しかし、私なりの考えがあって、たぶんわが国で(いや世界でも)唯一の哲学をする場所ではないでしょうか?

以上が同じ書き出しですが、「たぶんわが国で(いや世界でも)唯一の哲学をする場所」という表現が「過激すぎる」と感じた方もいるのではないでしょうか? そう、それを今回は説明(訂正?)したいのです。

言うまでもなく、「哲学とは何か?」という問いに対して、一方では、哲学者の数だけ答えが違うのですが、他方、その領域が無限に開かれているわけではなく(たとえば、哲学と音楽は違います)、「哲学」という言葉(シニフィアン)が、一定の限界を形づくっていることも疑いえない。これ以上、この問題に入ると、それこそ「哲学とは何か」という「哲学」に嵌ってしまい、抜け出られなくなる。

大学院でも、カルチャーセンターでもない

そこで方向を転じ、「哲学塾」とは、私の考えている哲学を実践している場なのですから、そして繰り返しますと、「哲学とは何か?」という問いに対し哲学者の数だけ答えがあるのですから、このことから論理的に、私の考えている「哲学とは何か?」に対する答えに適った「哲学塾」は「たぶんわが国で(いや世界でも)唯一の哲学をする場所」となるわけです。

ここまでが序ですが、では私は「哲学とは何か?」に対し、どういう答えを準備しているのか? いや、これではまだ抽象的であり、私は「哲学塾」で「哲学」という名のもとに、何を実現したいのか? 前回も触れましたが、まずネガティヴに、(哲学科の大学院のように)哲学研究者を養成したいわけではないこと、次に、カルチャーセンターのように、教養としての哲学を教えたいわけでもないこと、こう言えましょう。

私は25年前に『哲学の教科書』(講談社学術文庫)という著書の中で「哲学とは何でないか?」と問い、哲学とは「思想ではない、文学ではない、芸術ではない、人生論ではない、宗教ではない、科学ではない」と書き、その理由を論じました。

今日は、このうち「思想ではない」と「人生論ではない」という理由を(出版後、多少考え方が変化したところもあるのですが)繰り返してみましょう。それを通じて、「哲学塾」では専ら何を実践しているのかが照らし出されるのではないかと思います。

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