周防監督「裁判所はあなたを守ってくれない」

「それでもボクは会議で闘う」に込めた思い

周防正行(すお・まさゆき)
●1956年生まれ。立教大学文学部仏文科卒業。監督作品に『ファンシイダンス』『シコふんじゃった。』『Shall we ダンス?』『それでもボクはやってない』『ダンシング・チャップリン』『終の信託』『舞妓はレディ』など。著書に『それでもボクはやってない──日本の刑事裁判、まだまだ疑問あり!』など。

──議論は公開されています。

今回、どんなことが話し合われたのか。議論をオープンにすることもテーマになった。議事録は法務省のホームページに掲載されている。1回3~4時間、30回の会議のすべての発言がアップされている。ただし、こういう公開のされ方では、きちんと読む人は少ないだろう。

法曹関係者の発言は法律の専門的な言葉とお役人の会議ならではの独特の言い回しなので、とてもわかりにくい。ホームページで読みやすいようにしたり、ポイントを解説したりしてくれるわけではない。本当の意味での公開として、この本が手引として役立てばいいなと思っている。

──この本ではテーマの中心を三つに絞っています。

刑事裁判の取材を通じて、最低でもこれは何とかすべきだろうと思った三つの疑問点を中心に主張した。具体的には「取り調べの録音・録画」「証拠の事前全面一括開示」「人質司法と呼ばれる勾留の適正化」だ。

証拠は検察官のものではない

密室で作られる供述調書が判決の決め手になるのが常態化している。これはおかしい。取り調べの可視化についてきちんと考えないといけない。また証拠の開示のあり方。どの証拠を開示するかは検察官の手に握られている。さらに郵便不正事件でも明らかになったが、検察官が証拠の捏造までしてしまう現実がある。証拠は検察官のものではない。すべての関係者に開かれていなければならないはずだ。

もう一つが身柄の勾留だ。人質司法といわれるが、起訴される前に取調室の中で自白誘導や脅しに勾留が使われている。取り調べ官が被疑者から都合のいい言葉を引き出すための道具として勾留が使われている。この三つの疑問に対して、警察や検察、裁判所の人たちがどう考えているか、よくわかると思う。

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