
ハゲタカシリーズの推薦文から始まった
「前期的資本の国・日本が一人前になるために、真に貴重な作品である」
2007年、ハゲタカシリーズの第2作『バイアウト』(現在は『ハゲタカⅡ』に改題)刊行に際して、小室直樹氏からいただいた「推薦」の言葉だ。

それまで小室氏とは、一面識もなかった。私は経済の門外漢で、氏の著作も拝読していなかった。にもかかわらず、このぶしつけな依頼に、小室氏はふたつ返事で「ぜひ、推薦しよう!」とおっしゃってくださったと、当時の編集担当者から聞いた。
感激した私は、「直接お会いしてお礼を申し上げたい!」と訴えた。だが、当時小室氏はご体調が優れず「そこまでには及ばない。これからも頑張ってほしい」とお会いできなかった。この絶好の機会を逃したきり、私は生前の小室氏にごあいさつできなかった。
そんな後悔を抱えたまま月日は流れ、思いがけないことに、東洋経済新報社から本書の推薦文執筆のご依頼をいただいた。当初は「私は、小室氏の門下生でも経済学に詳しいわけでもないので」と固辞しようと思った。
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