家庭の弁当「ブドウ球菌・セレウス菌」から守る術 吉田屋「駅弁食中毒問題」から学ぶ注意点と対策
黄色ブドウ球菌食中毒の発生を見ると、飲食店が過半数を占め、仕出し屋がそれに続くが、家庭での発生も決して少なくない。原因食品は弁当が1位。2位におにぎりで過半数を占め、3位が肉料理となっている。
家庭での食中毒対策のポイント
夏が過ぎ、秋風の気持ちのよい行楽シーズンには、ピクニックやハイキングで朝作ったお弁当を食べる、キャンプでBBQをするといったケースも増えてくる。月別で見ると食中毒が多いのは気温の高い夏だが、秋にも多く見られる。
「気が付かないうちに食品を菌に汚染させたり、菌を増殖させたりすることはよくある」と伊藤氏。
「子どもたちが野球に行くのに、おにぎりが冷えたらおいしくないからと、お母さんが保温剤で温めて持って行った結果、逆にブドウ球菌が増えて食中毒を起こしたというケースもあります。温かいペットボトルとお弁当を一緒にパッキングすることも避けたほうがいいでしょう」
家庭での食中毒予防にも温度管理がカギを握る。
総菜、副菜には必ず75℃以上の熱を通す。肉類なら中が褐色になるまで熱をかければ、食中毒を起こす病原菌は死滅する。菌を増やさないためには、食品の温度を下げることも大切。常温で長時間放置せず、冷蔵庫で20℃以下に下げる、氷で冷やす、冷凍するなどがポイントだ。
弁当の次に多いおにぎりの食中毒だが、米飯よりも中に入れた具材の汚染が原因となることが多い。
「殺菌作用のある梅干しは確かに有効ですが、効果は梅干しの周りに限られます。また、手やしゃもじに菌が付着していれば汚染されますので、梅干しだから大丈夫とはなりません」と伊藤氏は注意を促す。
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