家庭の弁当「ブドウ球菌・セレウス菌」から守る術 吉田屋「駅弁食中毒問題」から学ぶ注意点と対策

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お弁当やおにぎりを作る際には手指消毒はもちろんのこと、サランラップを利用したり、手に傷がある場合には、ばんそうこうを貼ったうえで、使い捨てビニール手袋を使用したりするなどの工夫が食中毒を防ぐ。途中で顔やスマートフォンを触ったら、再度手指消毒をすることも忘れないようにしたい。

食中毒菌にはさまざまな種類があるが、BBQやお弁当で気を付けたい菌には、黄色ブドウ球菌や嘔吐型セレウス菌のほかに、カンピロバクターやサルモネラ、O157などが挙げられる(カンピロバクター関連記事:【食中毒】鶏肉料理で腹痛、ブームの調理法に注意)。

カンピロバクターは鶏肉、O157は牛肉、サルモネラは肉類や卵、魚介類含めあらゆる食品に存在する。

サルモネラ食中毒はかつて卵を原因として多く発生していたが、衛生管理の向上で卵からは減っている。しかしながら、お弁当に入れるなら、やはり卵は半熟ではなく卵焼きか固ゆで卵にするのがよい。

BBQでは、生肉を取る箸と食べる箸は区別すること、肉から野菜に病原菌が汚染することもあるため、焼くときに野菜と肉は混ぜないで離しておく。そして、やはりよく焼くことが食中毒を予防する。

高齢者や子どもは重症化も

ブドウ球菌や嘔吐型セレウス菌など食中毒を引き起こす菌は、日常生活の中に当たり前に存在している。食事中の食品が汚染されていることは少なくないが、すぐに食中毒になるわけではない。

体力が低下している高齢者や抗がん剤治療を受けているがん患者、自己免疫疾患の病気を持っている人、乳幼児などは少ない菌量でも発症したり重症化したりしやすい。

事業者でも家庭でも以前と比べて食品の衛生管理が徹底されてきているが、それでも100%ではなく、食中毒が起きうる可能性はゼロにはならない。だからこそ、食品を菌で汚染させない、加熱で病原菌を死滅させる、および食品中の菌を増殖させないことに徹底して取り組めば、食中毒の予防につながる。

吉田屋の駅弁当による全国にまたがる食中毒問題は、食の安全性が高まっているとはいえ、油断は禁物であることを教えてくれた。ていねいな手指消毒も含め、1人ひとりができる対策を心がけたい。

今村 美都 医療福祉ライター

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いまむら みと / Mito Imamura

1978年、福岡県生まれ。がん患者・家族向けコミュニティサイト『ライフパレット』編集長を経て、2009年独立。がん・認知症・在宅・人生の最終章の医療などをメインテーマに医療福祉ライターとして活動。日本医学ジャーナリズム協会会員。

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