冬の食中毒といえば、ノロウイルスだろう。年間の食中毒患者の約半数を占めている。例年11月ごろから増え始め、12月から翌年1月ごろにピークとなる(厚生労働省「ノロウイルスによる食中毒発生状況」より)。能登半島地震では避難所でノロウイルスの感染が相次いで報告されている。
ノロウイルスは感染力が強く、1件の食中毒事故から大規模な流行になることもあるのが特徴だ。なぜ冬に発生するのか、効果的な予防方法はあるのか。食品衛生学を専門とする女子栄養大学短期大学部教授の平井昭彦さんに聞いた。
突然の吐き気や嘔吐が特徴のノロウイルス感染症。下痢や腹痛を伴い、37~38℃の熱が出ることもある。
ノロが冬に流行しやすいワケ
ノロウイルス感染症はなぜ冬に発生しやすいのか。平井さんはこう説明する。
「ノロウイルスは気温が低いほうが長期生存しやすく、乾燥にも強い。このため、冬に感染症が流行しやすいと考えられます。また、生ガキなどノロウイルスに汚染された二枚貝を適切に加熱せずに食べることが食中毒の原因の1つになりますが、生ガキは冬に食べることが多いというのも影響しているのでしょう」
トピックボードAD
有料会員限定記事
ライフの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら