SNSで殺害予告、医師への卑劣な「言葉の暴力」 ワクチン不信ではびこる匿名アカウントの実態

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岡氏に対する事実無根の臆測や常軌を逸した投稿に共通するのは、匿名アカウントであること。そしてワクチンによる殺害計画が行われているという荒唐無稽な陰謀論である。

「このワクチンで何人死んだと思っている?岡よ、貴様は大量殺人に加担した大罪人だ」
「岡も薬害殺人計画に加担した輩だから体を振り切る最後を与えるべき」
「ワク被害を隠蔽し今だに推奨し続けている殺し屋」
「岡はワクチン殺人罪だからな (笑) 家族も攻撃されそうなほど危険を感じたのだろう(笑)」 

こうした言葉の暴力が多数投稿され、岡氏は精神的なダメージを受けたという。

ワクチンの有効性は評価が定まっている

新型コロナの感染が収束するにつれて、ワクチンに反対する極端な主張が目立つが、実際はどうなのか?

2023年2月に公表された研究論文によると、ワクチンの無作為化比較臨床試験(RCT)28件を解析した結果、感染予防の効果は44.5%(症状無)〜76.5%(症状有)、重症化予防は90.8%、死亡予防は85.8%だった。

2023年のノーベル生理学・医学賞は、新型コロナワクチンの開発に寄与したmRNA(メッセンジャー・リボ核酸)を研究した、カタリン・カリコ教授とドリュー・ワイスマン教授の2人が受賞した。新型コロナのワクチンの有効性は世界的に評価が定まっている。

ワクチンに反対する人たちは、厚生労働省の審査会が269件をワクチン関連の死亡と認定したことを挙げて批判を展開する(9月27日現在)。

しかし、日本では約1億人がワクチンを接種しており、審査会の死亡認定には、「厳密な医学的な因果関係までは必要とせず」という注釈が付けられているのだ。偶然性や年齢などの要素も複雑に絡んでいる可能性があり、これを踏まえないと、恐怖心や不安だけが先走るのではないか。

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