中学受験に執着する親が知らない「学歴の価値」 周囲から成功者にみえても苦しんでいる可能性

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ただし、自分と似たような仲間が集まるということは、公立高校のような多様性が生まれづらいという見方もできる。オリジナリティ(自分らしさ)が育ちづらい、といってもいいかもしれないね。

また、よく似た仲間たちに囲まれた環境で過ごすと、自分とは異なる属性や背景をもつ人への理解が浅くなることもあるだろう。

選んだ道を正解にできるかどうかはきみ次第

もちろん今述べたような内容に、当てはまらないケースもあると思う。結局のところは運やめぐりあわせ、相性といった本人の努力とは関係ない部分も絡んでくるからだ。

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ただひとつ、確実にいえるのは、中学受験をすることが絶対の正解で、しないことが不正解というわけではないということ。違うルートをたどった人たちが、同じ大学で合流することもある。

僕の中学時代の友人は当時有名進学校に進んだが、学風が合わず、とても苦しそうにみえた。ほかにも、試験というゲームが得意で大学受験もうまくいったものの、なぜ学ぶのかという人生の目的がはっきりしないまま社会人になり、迷っている人もいる。

彼らはまわりの人からは成功者にみえる。でもそんなことはないんだ。一見、華やかにみえる人でも、人生をずっともがいている可能性もあるんだよ。

だから選んだ道を正解にできるかどうかはきみ次第だし、ルート変更はどのタイミングでだってできるんだ。

山本 康正 ベンチャー投資家、京都大学経営管理大学院客員教授

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やまもと やすまさ / Yasumasa Yamamoto

東京大学で修士号取得後、NYの金融機関に就職。ハーバード大学大学院で理学修士号を取得し、グーグルに入社。フィンテックやAI(人工知能)などで日本企業のデジタル活用を推進し、テクノロジーの知見を身につける。日米のリーダー間にネットワークを構築するプログラム「US-Japan Leadership Program」諮問機関委員。京都大学経営管理大学院客員教授。日本経済新聞電子版でコラムを連載。著書に、『シリコンバレーのVCは何を見ているのか』(東洋経済新報社)、『世界最高峰の研究者たちが予測する未来』(SBクリエイティブ)、『アフターChatGPT』(PHP研究所)、『テックジャイアントと地政学』(日本経済新聞出版)など。

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