大学院出ても手取り12万「非正規公務員」のリアル 地方公務員の3割を非正規雇用者が占めている
なぜ非正規公務員に対するパワハラは起きてしまうのか。非正規労働の問題に詳しい和光大名誉教授の竹信三恵子氏は、年度ごとに契約を更新する非正規公務員の枠組みそのものが、パワハラの温床だと指摘する。
「管理職は多くの場合、非正規の職員を『不都合があったら雇い止めすればいい使い捨ての労働力』と考え、当たり前の労務管理すら行いません。非正規の部下が意に染まない行動を取ったときも、マネジメントではなく力関係で抑え込もうとして、パワハラが起きるのです」
非正規公務員の抜本的見直しが必要
正規の公務員が不当人事やパワハラを受けた場合、自治体が設置する人事委員会に被害救済を訴え出ることができる。しかし非正規は雇い止めされると同時に公務員でなくなり、訴える資格すら失ってしまう。
竹信氏は「非正規が救済されるよう、人事委員会の仕組みを変えるほか、労働組合など外部の救済機関を充実させることも不可欠。何より、存在そのものがハラスメントとすら言える『非正規公務員』という枠組みを、抜本的に見直すべきです」と訴える。
タカシさんのように、公務に見切りをつけて職場を去る若者も増えている。若手人材が去れば将来的に住民サービスが劣化し、最終的な損害を被るのは市民自身でもある。
森下眞由美さんからのメールには、佳奈さんと他の非正規当事者の姿を重ね、次のような切迫した願いがつづられていた。
「どうかあの(非正規公務員の)人たちの命を守ってあげてください。みんなを助けてあげてください」
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