日テレ「ZIP!」の仕掛け人が挑むHuluの奇策 ネット時代にテレビ局が果たす役割とは?

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また、収益モデルの違いも制作面での違いとなる。民放の地上波放送は無料視聴できる広告モデルで、放送局が制作したい番組をスポンサー企業に提案し、了承した企業から制作料と電波料を受け取って番組を制作し、放送する。一方、Huluはユーザー課金モデル。月額利用料収入で成り立っている。

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主役の「30年間昏睡状態で時代とズレてしまった規格外の刑事役」は唐沢寿明(中央)

「ネット配信のみでテレビ放送をしない作品は、クライアントによる縛りがなくなる。月額利用料を支払っている会員が見たいドラマ、ニーズに合ったドラマを作るB to Cのビジネスモデルの中で制作するドラマの表現方法は、放送とは少し違ってくるだろう」

たとえば、喫煙シーン。かつて刑事ドラマでは、張り込みの時間の経過を「足で踏み消したタバコの吸い殻の量」で表したが、現在の地上波放送では見掛けない。刑事がパトカーの窓から身を乗り出して犯人を捕まえようとすれば「シートベルトを着けているかどうか」が問題となる。

"やんちゃさ"をHuluで取り戻す

日本でテレビ放送が始まって60年。影響力の強い放送波が持っている性質を考えると、地上波放送のドラマでは視聴者に誤解を与えるような表現は控えて当然だ。だから、という側面もあるのだろう。ネットメディアのほうがテレビより過激で面白いとの指摘も多い。その“やんちゃさ”は大人になる前のテレビが持っていたものに近い。

「とはいえ、Huluではネット上にある玉石混淆の表現をすべて“よし”とするわけではない。物事の本質を伝えるために必要な過激な表現であれば、テレビ放送より自由に演出できるという場にするのが理想」

日テレ社長の大久保好男は、Huluの日本事業を傘下に収めた理由について「地上波、BS、CSに、新しい伝送路であるインターネットが加わりコンテンツの出し口が増えれば、テレビ番組の有効活用につながる。ネットとテレビ放送は互いの利点を生かし、共に発展する関係を目指したい」と発言している。今回の日テレとHuluの共同製作ドラマの企画も、その戦略の延長線上にある。

日テレの海外事業部、地上波放送編成部、インターネット事業部のキーマンが集まり、企画を起ち上げたのは1年以上前になる。「THE LAST COP / ラストコップ」の原作は、ドイツで2010年から2014年にかけて放送されたドラマ「ザ・ラストコップ(原題はDER LETZTE BULLE)」。そのシーズン1はすでにHuluで配信している。

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