"米国一住みたい街"に日本人も注目する理由

それはNYでもシリコンバレーでもない

「風変わりな気質」で知られるポートランド市民をユーモラスに描いた、2011年放送開始のテレビコメディー「Portlandia(ポートランディア)」も街の知名度アップに一役買ったと、シャーウッドさんは分析する。

「この一風変わった気質こそが、ポートランドをユニークで魅惑のある存在にしている」と言うのは、IT企業勤務のリー・バースさん。1998年にオレゴンの大学を卒業し、ポートランドに移住。その後、ロサンゼルスに引っ越し、6年前に戻ってきた。現在はニューメディア系マーケティングに特化したコンサルティング業を営む起業家でもある。

起業したい若者が集まってくる

「目を見張るような成長の時期にあって唯一気がかりな点は、ポートランドが一風変わった街であり続けることができるかどうか、だ」。バースさんはブームを歓迎しながらも、「人を批判せず、独立性を重んじる」といったポートランドらしさが失われないかと気をもむ。

「大いなる起業家精神」や助け合いも、ポートランドの特徴の一つだ。クラウドファンディングで資金を集めた事業やITベンチャーも多い。「ポートランダー(ポートランド市民)は、こうした地元の事業を応援する情熱にあふれている」と、バースさんは胸を張る。

米ニュース誌『アトランティック』によれば、ポートランドには起業を目指してやって来る有能な若者が多く、他都市に比べて若者の起業率が高いという。

また、これという大企業が少なく、他の大都市より経済規模が小さいため、仕事がないまま移り住み、起業やフリーランサーになる人が多い。

そうしたユニークな事情も、他の大都市と一味違う、成功至上主義でないポートランド文化を生み出す一因になっている。「私たちの大半は、高い年収や立派な肩書きなどに心をひかれない。どんな人生を送るか、一日をどう過ごすかに大きな関心がある」(シャーウッドさん)。

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